膀胱炎・反復性膀胱炎
膀胱炎は、尿道から侵入した細菌(多くは大腸菌)が膀胱の粘膜に付着して炎症を起こす疾患です。女性は男性に比べて尿道が約3〜4cmと短く、肛門や腟と近いため、構造的に細菌が膀胱に侵入しやすく、生涯で多くの女性が一度は経験する非常に身近な感染症です。
主な症状には、排尿時の終わりの方の痛み(排尿時痛)、何度もトイレに行きたくなる(頻尿)、尿を出してもすっきりしない(残尿感)、尿の濁り(混濁尿)や血尿などがあります。
通常は適切な治療で速やかに治癒しますが、1年に3回以上、あるいは6ヶ月以内に2回以上膀胱炎を繰り返す状態を「反復性膀胱炎」と呼びます。
迅速な尿検査と適切な抗菌薬処方: ご来院時に尿検査(尿定性)を行い、白血球や細菌の有無を確認して速やかに診断します。急性膀胱炎に対しては、原因菌に感受性のある最適な抗菌薬(抗生剤)を数日間処方し、迅速な症状の消失を図ります。また、必要に応じて尿培養検査を実施し、原因菌の種類や効果のある薬剤(薬剤感受性)を正確に特定します。
近年、反復性膀胱炎は腟内細菌叢の乱れとの関連性が注目されています。膀胱炎の度に抗生剤を投与すれば、耐性菌(抗生剤に耐性を持つ菌)が増え難治性となる可能性があります。「なぜ繰り返すのか」の背景となる原因の一つに閉経後の女性ホルモン低下の関与が注目されているため、場合により内診を行い細菌叢の乱れからくる細菌性腟炎や萎縮性腟炎の有無を評価し、エストロゲン療法(エストロゲン腟錠)を併用することで再発しにくい環境を作ることが重要です。
